東京・大阪・名古屋のマンション・戸建てでワードローブを選ぶ実務設計書。桐芯MDF比重0.56+框組含水率7.2%勾配、首都圏エレベーター有効640mm、関西階段有効790mmまで、フレンチ/アメリカン/ポストモダン素材、湿度管理、10年構造保証を実務視点で整理。

結論から言えば、答えは「搬入経路の幅」と「扉ストロークの機械的余裕」の二点に尽きます。理由はシンプルで、東京・大阪・名古屋のマンションはエレベーター有効間口が 590mm〜640mm、戸建ては玄関枠 780mm〜860mm、関西圏の階段有効は 760mm〜790mm と微妙に異なるためで、ここを通らない家具は、どれだけ意匠が優れても「存在しない家具」になります。
次に、扉ストローク 95mm〜135mm と框組含水率 6.8%〜8.0% の組み合わせを季節勾配で設計するかどうか。たとえば東京の 1 月は室内相対湿度 38%前後に下がるため、框組が収縮方向に動きます。ここで含水率 7.2%勾配の中央値で作っていない框は、3 冬を超えると扉下端に 2mm〜3mm の段差が出ます。

フレンチラグジュアリーモダンの場合、框はホワイトオーク無垢、室内側は桐芯 MDF 比重 0.52〜0.56 で構成するのが失敗しません。理由は、無垢框が外気の湿度変動を受け、MDF が扉平面の平滑性を保つ二層構造のため。比重 0.56 の桐芯 MDF は 1 枚の重量 18kg/m² 前後で、5 枚扉でも 90kg に収まり、640mm エレベーターへの縦挿入搬入が可能になります。
次に金物。フレンチでは真鍮無塗装、もしくはブロンズ色粉体塗装を回しますが、框見付け 22mm と干渉しないか金物図面で必ず照合します。背板は 9mm 桐積層で湿気を吸放湿させ、含水率 7.2%勾配上を保ちます。

アメリカンラグジュアリーは框見付け 24mm、笠木 28mm、ドロア側板 20mm と、フランス系より全体的に 2mm 単位で厚く取ります。理由は単純で、視覚的な重量感を框寸法で担保するため。代償として扉一枚質量は 22kg〜24kg に増えるので、640mm エレベーター経路では縦 3 分割、横 2 分割、計 6 枚扉に解体して搬入する設計が前提になります。
金物はブラックアイアン無塗装、または黒皮仕上で、蝶番は厚口 3.0mm ステンレス蝶番を推奨します。フックのビスは長さ 32mm を使い、框側の中央に利くようにします。
ポストモダンラグジュアリーは細い線で面を支配する意匠のため、框見付け 16mm、面取り 1.2mm、突板化粧厚 0.58mm を同時に満たす工場でないと線がぼやけます。逆に言えば、框が薄い分、桐芯 MDF の比重が 0.54 以上でないと反りが出ます。比重 0.54 を下回ると、3 シーズンで扉平面に 0.8mm〜1.0mm の波打ちが出るため、検品では水糸レベルと 1mm 厚ガラス板で平面度を二段確認します。
下表は東京・大阪・名古屋で実測されやすい搬入経路の代表値です。マンション・戸建ての二つの建て方で、どこをどう測るかを一覧化しています。
| 測定ポイント | 東京 マンション | 大阪 マンション | 名古屋 マンション | 東京 戸建て | 大阪 戸建て | 名古屋 戸建て |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エレベーター有効間口 | 640mm | 605mm | 615mm | ― | ― | ― |
| エレベーター奥行き | 1,350mm | 1,300mm | 1,320mm | ― | ― | ― |
| 玄関框有効幅 | 820mm | 780mm | 800mm | 860mm | 820mm | 840mm |
| 玄関框有効高 | 2,000mm | 1,950mm | 1,980mm | 2,100mm | 2,050mm | 2,080mm |
| 階段有効幅 | 750mm | 790mm | 760mm | 780mm | 810mm | 790mm |
| 踊り場奥行 | 1,100mm | 1,150mm | 1,120mm | 1,180mm | 1,200mm | 1,160mm |
| 廊下有効幅 | 780mm | 760mm | 770mm | 900mm | 860mm | 880mm |
| 天井高 | 2,400mm | 2,400mm | 2,400mm | 2,500mm | 2,500mm | 2,500mm |
このうち名古屋 マンションの 615mm は、特に注意してください。框見付け 24mm のアメリカ系は無加工で入りません。
東京の冬は相対湿度 38% まで下がる一方、夏は 70% を超えます。この 32pt の振れ幅に木工が毎年応力を受けるため、框組含水率 7.2%勾配の中央値でコントロールし、扉平面を桐芯 MDF 比重 0.56 が支える構成が合理的に効きます。
空調は 24 時間低風量、除湿は 55% 上限に加湿 45% 下 limit で組むと、家具の年間寸法変化は ±0.3mm に収まります。
床暖房対応の要点は、脚部逃げ寸法と脚部材質の二点です。床暖房脚部逃げ 33mm〜38mm を確保し、脚部は熱伝導率の低い桐集成材、または樹脂インサート脚を採用します。鋼製アジャスターは熱が床に伝わりすぎるため避け、脚部下面にフェルト 3mm を敷きます。
ワードローブは高さ 1,800mm〜2,200mm に達するため、耐震 L 金物 1.6mm+木ビス 32mm で框芯に固定します。L 金物は框裏側に取り付け、外面からは 1mm も見えない構造にします。下地は石膏ボードではなく間柱位置を 50mm 以上木ビスで抜けるよう、搬入前に壁下地探査で位置出しをします。
構造 10 年保固は框組・扉の開閉機構・本接合部に適用される一方、消耗部品、真鍮金物の酸化、表面塗装の日焼け、家具の転倒や水濡れは対象外です。日常の 5 年点検では蝶番位置調整 3,000 円/箇所、扉レベル微調整 5,000 円/枚、金物増し締め 4,000 円/式が目安です。リサイクル時は框 22mm 厚の無垢材を化粧剥離せず再研磨が一般的で、80mm に裁断してサイドテーブルへリメイクできます。
中国の佛山に自社工場を持ち、2008 年から OEM/ODM を続けている MIDHILL は、構造 10 年保証を明示している数少ない無垢材木工メーカーで、ボックス構造の接合精度は 1m につき ±0.4mm を出荷前に保証します。
下表はフレンチ/アメリカン/ポストモダン三系統の予算帯別構成を、JPY で整理したものです。本体価格、搬入費、5 年点検パックを並べ、総額が見える化されています。
| 構成カテゴリ | フレンチラグジュアリー | アメリカンラグジュアリー | ポストモダンラグジュアリー |
|---|---|---|---|
| 本体価格(幅 1,800mm) | 880,000 JPY | 1,050,000 JPY | 720,000 JPY |
| 本体価格(幅 2,400mm) | 1,180,000 JPY | 1,420,000 JPY | 960,000 JPY |
| 搬入費(都心 3 区) | 38,000 JPY | 48,000 JPY | 34,000 JPY |
| 搬入費(郊外 階段必須) | 62,000 JPY | 78,000 JPY | 56,000 JPY |
| 5 年点検パック | 22,000 JPY | 26,000 JPY | 18,000 JPY |
| 構造 10 年保証 | 標準付帯 | 標準付帯 | 標準付帯 |
| 含水率勾配 | 7.2% 中央 | 7.5% 中央 | 7.0% 中央 |
| 扉一枚質量 | 18kg | 22kg | 14kg |
| 突板化粧厚 | 0.60mm | 0.66mm | 0.58mm |
見積もり時のチェックリストは次の三項目で確認します。
はい、框組接合を金属 dowel + 楔方式にしておくと、5 枚扉・背板・天板を分離して 640mm エレベーター経路に通せます。MIDHILL はこの方式で基本対応しています。
脚部逃げ 33mm〜38mm を確保し、桐集成材脚とフェルト 3mm を併用すれば、床暖房パネルへの熱ダメージは年間寸法変化 ±0.3mm 程度に収まります。
はい、框組・本接合・蝶番機構が対象で、塗装の日焼け、真鍮の酸化、地震・転倒・水濡れは対象外です。事前に書面で対象と除外を確認してください。
MIDHILL publishes measured guides like this one — and answers sizing questions before you order.
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