東京・大阪・名古屋のワードローブは「一晩で決まらない」:搬入前夜の寸法帳と湿度設計
搬入前夜に寸法帳を書くべきか、東京・大阪・名古屋の現場で

扉幅・階段・玄関の実測
エレベーター内法と養生
東京の築15年を超えるマンションでは、エレベーター内法の有効寸法が幅 780 mm × 奥行き 1,350 mm に満たないケースが 3 割を超える。大阪・名古屋のタワーマンションでも同様に 800 mm 前後が下限で、ワードローブ側板を含めた外寸法がここを上回れば搬入は不可能となる。
- 扉幅 800 mm 未満のマンションでは、ワードローブを本体分解(側板・棚板・背板に分けて)搬入する必要がある。
- 階段幅 1,050 mm 未満の戸建てでは L 字階段の踊り場寸法が 1,200 mm × 1,200 mm を下回らないか確認する。
- 玄関框(かまち)の有効開口が 720 mm を下回る場合、框を外すか建具交換が必要となる。
- 養生シート単価は 1 部屋あたり 12,000 JPY、現地組立費は 38,000 JPY から。
設計段階で「搬入経路図」を 1/50 スケールで起こし、本体外寸と廊下・階段・扉の内法を重ね書きするのが、欧米のラグジュアリー造作法では一般的である。
フレンチ・アメリカン・ポストモダン、ワードローブの素材はどう選ぶか

フレンチ:ホワイトオーク突き板
アメリカン:ブラックウォルナット無垢
ポストモダン:金属・ガラス・人工石
フレンチ・ラグジュアリーの語彙はホワイトオークの柾目突き板と、ルリエの真鍮金物で構成される。表面塗装はオープン仕上げで、木目の方向を一列に揃える。
アメリカン・ラグジュアリーはブラックウォルナットの無垢材を採用する。心材と辺材のコントラストを避け、サウスジャパンの安定した気乾材(含水率 8〜10%)を選ぶ。
ポストモダン・ラグジュアリーは金属フレーム(スチール t = 2 mm まで)、着色ガラス、人工石の組み合わせとなる。重量は 180 kg 前後になり、搬入計画は戸建て 2 階で 4 名必須となる。
- ホワイトオーク突き板 1 ㎡あたり 28,000 JPY。
- ブラックウォルナット無垢 1 ㎡あたり 46,000 JPY。
- 金属フレームワードローブ 1 基あたり 320,000〜480,000 JPY。
湿度の地図を描く:東京の夏と名古屋の冬、ワードローブへの影響

年間湿度差
調湿素材
カビ対策
東京の年間相対湿度は 55〜80%、名古屋は 60〜85%、大阪は 65〜80% で推移する。ワードローブ内側の表面結露は相対湿度 75% を超える環境で発生しやすい。
- 背面壁に調湿シート(硅藻土・ゼオライト)を施工すると、内部湿度を 5〜8% 下げられる。
- 換気口 1 箇所あたり 24 時間 4,500 JPY の電気代増を見込む。
- 除湿機稼働は月 1,200 JPY(東京)、月 1,800 JPY(名古屋)が目安。
マンション中央部の部屋は外気に触れにくく湿気が滞留するため、24 時間換気を止めないことが基本となる。
扉一枚の質量とヒンジ寿命、東京・大阪の現場で
重量別ヒンジ選定
開閉 10 万回
扉一枚の質量が 12 kg を超えると、隠し丁番(欧州規格 BLUM 互換)の寿命は 7〜8 年に縮む。オープン棚の扉は 1 枚 8 kg 以下にとどめる設計が望ましい。
- 3 枚扉ワードローブ 総質量 96 kg(1 枚 32 kg)は、搬入時 4 名必須。
- ガラス入り扉 1 枚 18 kg、ヒンジ寿命は約 12 万回。
- プッシュラッチ式は 1 ヶ所 6,500 JPY、耐荷重 15 kg。
| 扉仕様 | 1 枚質量 | 推奨ヒンジ | 想定寿命 | 概算単価 |
|---|---|---|---|---|
| 無垢板 30 mm | 9〜11 kg | BLUM 110 度 | 15 万回 | 3,800 JPY/ヶ所 |
| 突板合板 24 mm | 6〜8 kg | BLUM 95 度 | 20 万回 | 2,400 JPY/ヶ所 |
| ガラス入り 21 mm | 16〜20 kg | スガワラ 3D | 12 万回 | 5,200 JPY/ヶ所 |
| 金属パネル 18 mm | 12〜14 kg | Hettich ArciTech | 18 万回 | 4,600 JPY/ヶ所 |
| 鏡面アクリル 12 mm | 5〜7 kg | BLUM 95 度 | 22 万回 | 2,000 JPY/ヶ所 |
東京の寝室と名古屋の主寝室、寸法設計の違い
6 畳と 8 畳
動線 60 cm
枕元寸法
東京の 6 畳寝室(3.64 m × 2.73 m)では、ワードローブ奥行き 45 cm を確保すると、ベッド側通行幅が 55 cm にまで縮む。名古屋・大阪の 8 畳寝室(4.55 m × 3.64 m)であれば、奥行き 55 cm・幅 200 cm のワードローブを置いても通行幅 65 cm を保てる。
- 枕元からワードローブ前面まで 90 cm を確保すると、衣装の持ち替えが楽になる。
- クローク兼用の場合は奥行き 60 cm が下限、棚間ピッチは 32 cm が標準。
- ロングコート用ハンガーパイプは床上 165 cm、ピッチ 5 cm の押さえ金具を併用する。
造付けと建付け、東京・大阪のコスト差は
造作 1 m 単価
建具メーカー
工事日数
造付けワードローブは壁面単位の寸法で発注するため、解体・再搬入が利かない。東京の造作工事費は 1 ㎡あたり 180,000 JPY、大阪・名古屋は 165,000 JPY が相場となる。
- 建付けメーカー品(メーカー既成品)は 1 基 320,000〜640,000 JPY、工事 1 日で完了。
- 造作(壁面一体型)は 1 部屋 540,000 JPY から、工事 3〜4 日。
- 造作の場合、解体費用は 90,000 JPY を別途計上する。
| 方式 | 単価 | 工期 | 搬入制約 | 耐用年数 | 解体費 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建付け 標準 | 320,000 JPY/基 | 1 日 | 扉幅 720 mm まで分解可 | 12 年 | 32,000 JPY |
| 建付け フルオーダー | 640,000 JPY/基 | 2 日 | 扉幅 600 mm まで分解可 | 15 年 | 48,000 JPY |
| 造作 壁面一体 | 540,000 JPY/部屋 | 4 日 | 現地組立のみ | 20 年超 | 90,000 JPY |
| 造作 システム | 420,000 JPY/部屋 | 3 日 | パネル単位搬入 | 18 年 | 72,000 JPY |
木工場から届くまでの日数、東京・大阪・名古屋の物流
国内製作
中国広東省
船便 8〜12 日
国内の木工所は製作期間 35〜50 日、搬入据付 1 日が基本となる。広東省・仏山(FoShan)の製作拠点から船便で輸入する場合、製作 30 日、海上 12 日、通関 4 日、据付 2 日が標準スケジュールである。
- 輸入時の容積 m³ あたり 38,000 JPY の通関・配送費。
- 関税は無垢材ワードローブで CIF 価格の 6.7% が目安。
- 海上輸送中の湿度変化を想定し、工場出荷時の含水率 9% を確認。
10 年後に効く維持設計:蝶番・引出し・塗装
10 年保証の構造
再塗装
引出し寿命
構造体(框組・棚板・背板)の 10 年保証は、欧州の木工基準では一般的である。日本の住宅環境で 10 年保証を維持するには、年 1 回の蝶番増締めと、5 年に 1 度の塗装メンテナンスが前提となる。
- 蝶番全交換(6 ヶ所)は 18,000 JPY、DIY 工具込み。
- 引出しレール交換(4 段)は 32,000 JPY。
- 塗装再仕上げ 1 面 14,000 JPY、東京の工房相場。
MIDHILL のような仏山の無垢材木工所は、2008 年の創業以来構造 10 年保証を標準化している。国内の木工所では保証範囲が「表面仕上げのみ」にとどまる場合が多く、構造部の保証は国際的な製作拠点を選ぶ安心材料となる。
買い手が最後に決めるのは価格ではなく寸法帳である
図面の残し方
家族動線
30 年後の取替え
東京・大阪・名古屋の買い手の多くは、初回ヒアリング時に「金額」を聞く。しかし欧米のラグジュアリー設計では、最初の打ち合わせで「30 年後の取り壊し手順」まで踏み込むのが慣例である。
- 図面 PDF と実測写真を 10 年保管する。
- 家族動線の変更(子供部屋の統廃合)を 5 年単位で想定。
- 取り壊し時の分別:金属 32 kg / 木質 96 kg / ガラス 12 kg を事前試算。
寸法帳を机の上で開く夜こそが、ワードローブ選びの最初の夜となる。
Frequently asked questions
東京のマンションで搬入できるワードローブの最大幅は?
エレベーター内法と玄関框に依存するが、概ね扉幅 780 mm 以下に分解できる構造なら、本体幅 240 cm までは搬入可能。分解組立費 38,000 JPY が別途かかる。
名古屋の湿度でワードローブのカビを防ぐには?
背面壁に硅藻土シートを施工し、内部湿度を 5〜8% 下げる。除湿機の月 1,800 JPY ほどの電気代増で年間を通じて 65% 以下に保てる。
フレンチとアメリカの素材、コスト差はどれくらい?
ホワイトオーク突き板 28,000 JPY/㎡、ブラックウォルナット無垢 46,000 JPY/㎡。1 ㎡あたり約 18,000 JPY の差が標準仕様で出る。
構造 10 年保証は何を保証するのか?
框組・棚板・背板の接合不良、反り、割れが対象。蝶番・引出しレール・塗装表面は消耗品扱いで別途 1〜3 年保証となる。
造作と建付け、どちらが将来価値を残しやすいか?
造作(壁面一体)は解体費 90,000 JPY と工期 4 日を要するが、耐用 20 年超で部屋の資産価値に寄与しやすい。建付けは 12〜15 年で取替え前提となる。
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